勢揃坂という地名がおかしい、というエッセイを読んだ(たしか宮沢章夫だったと思うけど手元にないのでわからない)
後三年の役で源義家がここで軍勢を揃えて東北に出陣したという歴史にちなんでの名前なのだが、「勢揃い」部分をとっているのがおもしろいという内容だった。
たしかに「後三年の役」「源義家」「出陣」など派手な単語があるのに、よりによって一番最初の「勢揃い」だ。
それで思い出したが川越街道に下頭橋という橋がある。
小学生の頃に読んだ板橋区の民話ではそこにいた物乞いがためたお金で作った橋だと書いてあった。修身みたいな話なのについた名前が下頭橋。頭を下げる橋。その人の名前ではなく、体の動きをとった。なぜそこ?という命名エピソードである。
妻にこの話をしたら橋は物乞いのお金を使うのではなく自治体が作るべきと言ってた。確かに、エピソードそのものがおかしい。封建社会だから。
神奈川にある目久尻川は、川にいたカッパの目をくじりとったからという説があるそうだ。カッパ川ではなく残虐行為。
なんでそこを名前にしたんだろうという地名をたらたら書いたが、どれも行動だった。「勢揃い」「頭を下げる」「目をくじるとる」。 動詞から取るのがいけてたのだろうか。
ってことはどこにでもある通称ナンパ橋は歴史的に正しい名前なのかもしれない。
(そして書くまでもないが、地名の由来は諸説ある)