東京三菱UFJ銀行のCMで看板の阿部寛がサラリーマンに話しかけている。話かけられた男はいちど驚くが、その後は阿部寛に返事をしたりしている。
東京スター銀行のCMでもパンフレットから女性が飛び出す。パンフレットを見ていた夫婦は驚いたあとにすぐ老後のお金についての心配事を話しはじめる。
CMに出てくる人は状況を受け入れるのが早すぎる。
僕は印刷物のなかの人が動きはじめたら逃げずに話を聞くことができるだろうか。いや、無理だろう………といらない心配をしてしまう。
缶コーヒーのCMではAKB48でスローなダンスをしている。あれなら混ざっても踊れるだろうか。いや、あれはダンスの基礎があっての余裕の動きかもしれないな……と違う心配をしはじめる。そしてああおれはAKBじゃないんだ、踊らなくていいんだと思ってほっとする。
毎日疲れるのは仕事じゃなくてテレビを見て余計なことを考えているからかもしれない。
しかしなぜ銀行のCMは平面の人を動かしたがるんだろう。