宮崎在住のライター窪田くんが東京に来ているので(酔って航空券を取ったらしい)朝から東京観光のバスに乗る。2階建てで屋根がない浮かれたバスだ。
もちろん日本人は僕らだけであとは外国人観光客。スペイン語やフランス語が飛び交っていた。英語はあまり聞こえない。
スクランブル交差点に入る前にアナウンスで「いよいよ交差点です」「カメラの準備はいいですか」「この交差点を渡るコツは一定のスピードで歩くことです」などと言っていた。僕らがベトナムの道路を渡る地元の人を見るような驚きをもって見ているのかもしれない。
日本語が聞こえないバスから眺める東京は華やかで、「わー働いている人がいる~」なんて思って見てた。普段は自分があっち側なのだが。
バスは東京駅について皇居など見てから会社へ。あっち側へ。
---
会社にはトルーが来て記事の撮影。ものすごくうまくいかなかった。こういうのこそ書き甲斐があるよね!とフォローする。
この表情
僕も腹話術人形を持ってきた。僕の記事について編集部の安藤さんが自分もやりたいとツイッターに書いていたので、何人かでやったら軽く記事1本ぐらいにはなると思ったが、皆やりたがらなかった。
窪田くんにもやりなよと言ったが「いいです」とのこと。
「おれの腹話術ができないというのか」
そんなハラスメントをする。
「社交辞令カヨ!買ッチャッタジャナイカ!」
キャプションだけで腹話術に聞こえる。
撮影は全然無事ではなく終わり、みな帰っていった。
---
デスクワークに戻らずにまた観光バスに乗りに行く。
1日券を買ったので夜まで乗り放題なのだ(3800円だし)。ひとりでも乗る。ふたたびあっち側へ。
知ってる場所も珍しく見える。
外国気分でレインボーブリッジを眺めていてもむかし働いていたオフィスビルを見ると現実に戻される。1998年ごろ、あそこで徹夜してたっけな。
お前は25年後、腹話術人形を持って向こう側の観光バスに乗る。
---
帰ってから午後に催促されていた仕事をする。
観光バスに乗ったことを記事にしようと思ってるけど、記事にしないでただのレジャーで終わらせるのも風流だな、と思う。