アメリカ出張中、バーに入ったら60ぐらいのおじさんがウェイターをしていた。プラダのメガネをかけて、ビールをゆっくり運んでくる。「10ドル」と言ってお金を受け取って堂々と戻っていく。
へーと思って見てた。こういう老後もいい。
アメリカの接客業は高齢の人も働いているし、そもそも適当である。
しかし適当だと思うということは、僕のなかに「お客様は神様だろう」という傲慢な考えがあるのかもしれない。日本の居酒屋の「はい喜んで!」みたいなやりすぎの姿勢(ほぼ服従だ)に慣れてしまっているのかも。売り手と買い手は対等なのに。
クレーマーの話を聞くたびに嫌な気分になるが、僕にもその芽があるということだ。気をつけなければ。
と、ビール飲みながら考えていたが、おじさんのウェイターは1時間ぐらいでいなくなった。
あれ、ウェイターじゃなくて常連の客が手伝っていただけかもしれない。おれの内省を返せ。