やぎポエム

ポエムとついてますがブログです。編集・ライターの林雄司のブログです。

ガシャーン

会社にHさんという先輩がいた。

Hさんは後輩にも丁寧で優しい人だった。

ある朝、9時少し前のエレベーターは遅刻しそうな社員でいっぱいだった。だが、ほかの会社の人もいるので各階にエレベーターは停まる。そしてドアの近くに立っていたHさんは降りる人のためにエレベーターをいちど降り、また乗ってくる。

でもHさんは降りて5歩ぐらい先まで行ってしまうため、また乗ろうとするときに締まりかけのドアに挟まる。

それを3フロアぐらい連続でやった。

どうぞ、スタスタスタ…ガシャーン。どうぞ、スタスタスタ…ガシャーン。

そしてそのエレベーターに乗ってる人は全員遅刻した。

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フレックスもテレワークもない時代のおもしろ困惑癒やしふざけんな話である。

じゃあメイン

アニメ作品とコラボ、ミュージシャンのインタビューなど、メディアでもイベントでもそういう企画をよく聞く。

かたや僕がウェブマスターのデイリーポータルZはサブカルチャーにカテゴライズされることが多いが、やってることはお中元の交換やしゃべる猫の記事である。

お中元と猫、その間口の広さはぜんぜんサブじゃない。

じゃあメインかと言われたら違うのだが、なんなんだろう。

なんなんだろうと考えるふりをしながら、「じゃあメイン」がマイケル・ジャクソンの兄っぽいと思っている。ジャーメインジャクソン。

都市対抗

去年から社会人野球の都市対抗をテレビで見ている。

去年は盛り上がって決勝戦を東京ドームまで見に行ってしまった。

野球も応援も面白かったのだが、なんとなく球場に会社っぽさがあるのが発見だった。

・見に来ている人が明らかに社員。プロ野球ではあまり見ない2~3年目の若手社員のグループやOLのグループがいる
・年配の人はOBだろうか
・通路で名刺交換をしていた(前は同じ職場だったが今は違う事業所にいる人とたまたま会って、これはこれは、ごぶさたしております笑という雰囲気)。
・ベンチにスーツの人(たいてい野球部を管轄している管理部門の長)がいる
・応援団にガスパッチョとか会社のキャラがうろうろしている
・勝利インタビューでも相手(御社)を称える

でもこの会社っぽさが嫌いじゃない。ホームラン打った選手に遠慮がちに声をかける総務部長を見ていると嬉しくなる。(オペラグラスでベンチを見ていた)。

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同じ宗教をベースにする社会(同じ文明)では基本的なルールが共有されているので貿易ができるという話を聞いたことがある。

都市対抗で感じたのが会社という文明だ。続いて欲しい。

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そしてホンダとか東京ガスとか、社員がごっそり応援に来てても会社は回って利益を出し続けているのがすごい。才能に依存せずに利益を出す仕組みができている。

野球を見ながら会社ってすげえなあと思った。(でかい会社ほど強いのがえげつないけど)。

仕事、うそでした~

遠地で朝から仕事があるので前泊して、早起きして朝食バイキングでごはんを食べる。ビジネスホテルなのに予想外に充実した朝食でしっかり食べてしまい、コーヒーも飲んで部屋に戻って出かけるか…というところで

「仕事、うそでした~。仕事なんてありません~」

って思うやつやりたい。

まずは軽く二度寝して、知らない町をうろうろする。

本屋とかに入って、地元の出版社が出してる「〇〇の方言」「〇〇の噂話」みたいな本を買って喫茶店で読んで帰るのだ。

スギ薬局ではない

名前が違うのに同じだと思おうとすることがある。

いつもスギ薬局に行ってると思っていたが、ある日看板を見たらミネドラッグと書いてある。

「つまり、スギ薬局ではないってことだろうか…」

↑この感覚である。

玉木宏をテレビで見て、この人NHKで司会してたなと思ってその番組を見ると谷原章介と名乗っている。よく見ると顔も違う。

「……ってことは、別人かな」

これもそうだ。

松尾スズキの「大人失格」にそんなシーンがある。新宿のアルタに行きたかったのに南口に出てしまい「ルミネとアルタは違うかな」とつぶやくのだ。

明らかに間違っているのに「おかしいぞ」みたいな顔をすることだ。

ただ単に諦めが悪いと言われたらその通りである。

 

虫パターン

かき氷がクリームやフルーツをのせて派手になっていくのが虫みたいなだな、と思う。

近所で見かけるイモムシは一色だが、図鑑に載っているのはカラフルだったり毛が生えていたりする。魚でもカブトムシでもレアになるほど装飾が派手になっていく。

かき氷のほかにも虫パターンは多い。

・ラーメン(トッピングがはみ出して上から脂)
・紅白歌合戦での演歌歌手の衣装
・回転寿司の皿
・栄養ドリンクの名前と箱(ゴールドとかアルファがどんどんついて輝いていく)

希少性を高めるためには派手にしとけ、我々が虫だった時代から残る遺伝子に書いてあるのだろうか。

映像が出ない

会議といえばパソコンをモニターに繋いで映像が出るまでの時間である。

5秒ほどぼんやり待って、出ない…。入力切替を押して…また待つ。たまにその間にテレビ放送が映ってしまって通販番組を一瞬見てしまうことすらある。

会社といえば大人の集まりだ。大学を出て、経験を積んで、役職につき、地価の高い場所にあるオフィスを借りてなんで昼間に青汁のCMを見ているのか。

そこで間が持たずに言うことがこれだ。

「青汁だ」。

そのままじゃないか。無防備すぎる。

こんなことがいろんな職場で繰り広げられている。あの会議前のロスタイムを全部足したら1日で24時間以上はあるだろう。

その24時間は大人が会議室でうつらないモニターを見ているだけの惑星なのだ。