弘前に行ったときに地元の人に街を案内してもらった。
街を流れる川のほとり、橋の下の暗がりが地元の高校生のデートスポットだという。
デートというか、そこでキスをする高校生がいるという話だった。
へー、ここで。なるほどちょうどいいですね、キスだけだったんですかね、いやあ、どうだか、などと下世話な会話をした。
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デイリーポータルZの記事で、ライター地主くんがどこかの島で島でいちばんうまい柿の木を教えてもらっていた。うらやましい。
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こういう話を聞くとただの橋の下や柿の木が違って見えてくる。人くさくなる。
ニュースではその木が切られたり橋が崩落しないと登場しないのだけど、そういう事件もなく、いまもただある。だからエピソードとしてはまず流通しない。
しかもこの手の話はそのときはふーんぐらいで聞いてしまう。でも、あとで弘前の名前を聞いたときに思い出すのは暗い橋の下にいる高校生である。(見てないのに)