子どもの頃、家でモルモットを飼っていた。
母がガレージで小屋を掃除しているとご近所さんがやってきたそうだ。そしてモルモットの足元に転がっている粒を取り上げて、「へえ、これがエサ?」と言った。
でもそれはうんこだったので、母は違うと言った。
母がその日の晩にそう話していた。
そのときの返事を端的に言うと
「いいえ、それはうんこです」
だっただろう。
「いいえ、それはうんこです」
バカな子どもが英語の時間にふざけて言うような会話が本当にあった。
冗談みたいな会話が本気で交わされた瞬間、これはこれで皆既日食ぐらいの貴重な瞬間だと思う。「いいえ、それはうんこです」