吉祥寺の駅ビルの食料品フロア、果物売り場で販売の女性が「桃はお好きですか?」と通り過ぎる人に声をかけていた。
ある男性が「ええ、まあ、はい」と答えたら、では買っていきませんかと勧めていた。
桃が好きであることと、今日買うかどうかは別の話である。
だけど、じゃあどれにする?と話をつなげているのが素晴らしい。セールストークのお手本のようだ。
いつのまにか買うことになっている。
桃というたいていの人が好きな果物を武器にぐいぐい切り込んでいく。
でもその男性は買わずに去っていった。僕は目が合いそうだったので(ああ言われたら買う自信がすごくある)そそくさと移動してイカを買って帰った。
マッチ売りの少女も「マッチを買ってください」じゃなくて「マッチはお好きですか?」と聞けばよかったのだ。
大好き!って人がいたらそれはそれでやばい。