ゴリラについて考えている。
きっかけは古雑誌にあったテレビ番組の案内だ。
1975年のテレビドラマだそうだ。ザ・ゴリラ7。主人公をゴリラ呼ばわりするのが意外だった。
キャラクターも実際にゴリラだし。
デイリーポータルZ はげます会で教えてもらったところ、フランスの大統領護衛官のニックネームからとっているそうだ。大統領護衛官をゴリラって呼んでいたのか。バカにしているか(と今だったら思ってしまうだろう)。
このころ、ゴリラはかっこいいイメージだったのかもしれない。
気になって映画データベースで「ゴリラ」の語を含む作品を調べた。
1939 ゴリラの脅迫状 1940 復讐のゴリラ男 1954 ゴリラの復讐 1956 獣人ゴリラ男 1956 漫才学校 ゴリラ大暴れ 1965 狼少年ケン 誇りたかきゴリラ 1967~1968 特攻ギャリソン・ゴリラ 1969 暴行魔ゴリラー 1970 地底の原始人・キングゴリラ 1975 ザ・ゴリラ7 1977 野獣の救出部隊ゴリラ・コマンダー 1979 地獄のボディガード・スーパーゴリラ/ヨーロッパ犯罪地帯を暴く 1986 アーノルド・シュワルツェネッガー/ゴリラ 1988 ゴリラフォース 1989 ザンゴリラ 1989~1990 ゴリラ・警視庁捜査第8班 1991 ゴリラ・コマンドー 1992 ゴリラーマン 1992 ゴリラ2 1993 ゴリラは真昼、入浴す。 1993 ゴリラーマン2
1960年代まではゴリラは悪者だが、1970年代になるとボディガード、救出部隊などヒーローになる。
1986年はシュワルツネッガーがゴリラになった。でも原題はゴリラじゃなくてRAW DEALなのでこのゴリラ観は日本だけである可能性はある。 原題に関係なくゴリラってつけちゃうのひどい(と思う僕は別のゴリラ観にとらわれている)
1988年にシガニー・ウィーバーがゴリラの研究者の役を演じる映画「愛は霧のかなたに」があることもはげます会で教えてもらった。この映画のゴリラはやさしいのだ。
1990年代に入るとゴリラーマンが登場しておもしろのイメージになる。
これだけでの資料で決めつけると、ゴリラのイメージは「怖い」→「かっこいい」・「やさしい」→「おもしろい」で変遷しているのだ。
前にも書いたがゴリラはパチンコ屋などにぶら下がっている。場末の繁華街やちょっと古いビルが多くて、新しいビルでは見かけない。渋谷の再開発でたくさんビルが建っているがどこにもゴリラはぶら下がっていない。
あの偶像崇拝ゴリラはきっと「怖い」「かっこいい」の時代に作られたものだろう。
その後、「おもしろい」になってからスナックの名前になったのではないだろうか(「ゴリラ」って飲食店ありますよね)。
スナックゴリラの開店時期については今後の課題としたい。
目黒には「ゴリラーメン」というラーメン屋があった。ゴリラとメニューのハイブリッドな名前である。
ゴリラのイメージについてはデイリーポータルZでも西村さんが辞書でのイメージを調べている。
店名のゴリラについては大北さんが書いている。
このほかにもゴリラの記事が多くて、デイリーポータルZってこんなにゴリラのこと書いていたのかと驚く。それもまたゴリラのサブカルチャー化なのかもしれない。