やぎポエム

ポエムとついてますがブログです。編集・ライターの林雄司のブログです。

マルチバース風俗

映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」を観た。

パラレルワールド(いまだったらマルチバースというのかな)を扱った物語だった。

古くはシンデレラにも通底する「ここではない世界」というナラティブのひとつかもしれない。

なんて分析めいたことを言ってる僕も並行世界について考えるのは好きで、過去にデイリーポータルZの企画で似たことをしたことがある。

dailyportalz.jp

知らない町に行って、あたかも自分がここで育ったかのように振る舞う企画。適当な団地を実家だと思い込んで行ってみて「懐かしいなー」とか言う。

この知らない町は郡山だったのだが、一昨年、仕事で郡山に行ったので、18年ぶりに「実家だと思い込んだ団地」に行ってみた。

2003年

2021年

なぜ僕は縁もない場所の写真を撮り比べているのか。懐かしいと思ったことが懐かしい。

しかし、東日本大震災で原発が爆発したときも、郡山のファミレスが爆発したニュースのときもこの団地を思い出していた(しかしどっちも爆発だ)。

あっちのバースとこっちのバースを混同している。

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もうひとつのマルチバース企画。

dailyportalz.jp

知らないアパートにいると、見たことない人が友達と称してやってくる。その友達の発言からこの世界の自分は何をしでかしたのかを推理する企画。

これはゲームとして面白そうなので自分が解く側に回ってみたい。

 

自分のスマホも見たことないやつで(黄色いアクオスとかがいい)、この世界の自分のFacebookの書き込み(きっとネットワークビジネスとかで意識高いことを言ってる)がまたヒントになったりして。

ゲームを終えたあとも、別の人生が指先に残っているような、家に帰ってあの世界の「友だち」のことを考えて、あ、そうかあれは設定だったんだっけ、と思い出すような感覚が残るといい。

 

雑居ビルの小部屋でそういうゲームができて1時間5000円とかだったりするといいのかもしれないが、風俗っぽいんだよな。

 

お化け屋敷みたいに、マルチバースを通り過ぎて体験できるぐらいがいいかもしれない。マルチバース屋敷。