やぎポエム

ポエムとついてますがブログです。編集・ライターの林雄司のブログです。

AIとブレスト

毎日AIとチャットしている。


AIはそのままだと関連度の高いことを言うようにできているようで、あまり面白いやつではない。
寒い→風邪をひかないようにしましょう、とかそんなパターンだ。
寒い→海水浴に行った気分になってみる、と言って欲しい。
デイリーポータルZっぽい。というか、おれか。

だが、考えてみればデイリーっぽい発想とは関連のないこと・対立することを探してくっつけているだけである。
そういう前提を指示するとAIは俄然よくなってくる。

方法:わざと関連のない言葉から共通点を見出す
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林:「網戸にいちばん関係が薄い言葉はなんでしょうか」
AI:「航空母艦のように巨大な物体や概念に関連する言葉と比べると、網戸は比較的小さく身近なものであるため…」
林:「航空母艦と網戸の類似点」
AI:「両者とも軍事用途に使われることがあるという点でも共通しています。」
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もっと強引に指示してみる。
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林:「網戸に全く関係がない言葉を探し出し、その共通点を強引に見つけてください。
AI:「スプーン」という言葉には「プー」という音が含まれている。同様に、「網戸」という言葉にも「ト」という音が含まれている点が共通している。
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かなり強引になった。何言ってるんだ?というライターで僕は好きだけどPVは伸びないタイプだ。
ほかにも前提をしっかりさせると勘いいことを言ってくる。

 

方法:自分の好きなことを地球環境とか愛とか否定できない概念を引っ張り出して同じであると説明する
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林:夜道でひとりでスキップしてストレス解消していることの良さを地球環境の点から説明してください。80文字程度で。
AI:夜道でのスキップはエネルギー消費が少なく、CO2排出量も抑えられるため、環境に優しいストレス解消法といえます。
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すごくおれっぽい。

 

方法:些細なことを過剰にロマンチックに書く
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林:「そう、サントリーホールが赤羽にないように、君の網戸はローマにはない。」そう言った僕に彼女はなんと言ったか。 村上春樹のような文体で100文字で作成してくだい。
AI:「ローマにはない網戸、なんて言われてもね。でも、君の言葉はなんだか愛おしいわ」と、彼女は微笑んでそう答えた。
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網戸、磯丸水産、ボビン、電化製品買ったときにコンセントのプラグについてるカバー、など些細なものだとキザが映える。これも僕がよくやる手。

 

方法:音を入れ替えて面白い響きにする。これはエクセルのオートコンプリートのように指示してみた。
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林:コンピューター → コンピュータン
カマンベール → カーベルマン
ドストエフスキー→?
AI:ドストンフエスキー
林:OK、そういう答えが欲しかった!
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このあとのAIの発言が人っぽくて怖かった。
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AI:すみません、答えを忘れてしまいました。もう一度お聞かせください。
林:ドストンフエスキー
AI:面白い響きになりましたね!
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なんで答えを忘れたんだろう?照れたのか。

 

方法:名作を関係がないフォーマットで表現する。カフカ変身の楽天風と同じ
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林:冒頭は、「ドキッ!湯けむり」ではじめて、最後は「なのだ!」で終わる文章で、カフカの変身の要約を40文字でお願いします。
AI:ドキッ!変身、昆虫へ。仕事や家族との葛藤。最後は孤独な死なのだ!
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そうそう、そういうのを頼む。

 

方法:ギャップ
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林:英雄的なポーズで、英雄が絶対に言わないことを言ったらギャップがあって面白いと思います。3つ考えてください。
林:日本語では、セリフの語尾を「だぴょん」「でやんす」「でおま」にすることでギャップのユーモアを出すことができます。英雄的なポーズで英雄が言いそうにないことを、さらに語尾を変えて作成してください。

AI:「敵を倒す前に、ネイルケアが欠かせないでやんす」

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吉本新喜劇のようなになった。

 

方法:実験が失敗に終わったときのデイリー文体

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林:実験がうまくいかなかったことを、ユーモアを交えて強引に前向きに説明してください。80文字程度で。

AI:実験は失敗だけど、成功のために必要な過程だったんだ。次は成功に近づくために、今回の失敗から学んだことを活かしてがんばるぞ!って思えば、失敗も前向きに捉えられるよね。

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おれが書いたのかなと思うような文章が出てきた。最後の「捉えられるよね」の「ね」の照れ、分かって書いている感じが恐ろしい。よくやる。


方法:ペンネームの付け方
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林:本名とカタカナを混ぜるペンネームが好きです。本名の名前か名字のどちらかに、カタカナをくっつけます。
ナポリタン林
ボビン雄司
林カーネギー
カナカナは、なるべくもとの名前に関連がないものが良いです。
さて、板垣退助さんにペンネームをつけてください。
AI:退助ピンポン
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このあと、板垣ピンポンのほうがいいよとは教えておいた。板垣ピンポン、自由はスマッシュ。(←これは僕が考えました)

 

方法:ペンネームに語尾と一発ギャグを追加する
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林:日本語では、キャラクターの個性を出すために語尾をアレンジします。
「でやんす」「というわけでグラッチェ」「でござる」など。
林:日本ではキャラクター性を増すために、一発ギャグを持つことがあります。一発ギャグは、普通の言葉を勢いよく言うことで笑いを引き起こします。たとえば「二級河川!」「追徴課税だ!」などです。
林:一発ギャグは専門用語と関係のない流行語を組み合わせて!をつけて勢いよく言うスタイルでお願いします
例えばこのようなものです。
「過酸化水素水、飲み放題!」
「100円ショップの店長、人間国宝!」
「露点温度はおれが決める」
(このあいだ考えたものに「もう少し短く」「ギャグだけ別パターンで」などやり取りが続く)
AI:林雄司です。ペンネームはスカイツリー林でピョコン! 一発ギャグは、「断熱材の効果、バッチリ!」(勢いよく言いながら、両手でOKサインを作る)
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「断熱材の効果、バッチリ!」という一発ギャグが気に入った。

 

AI相手にブレストをしているようだ。しかも考えながら、自分の文章の癖や考え方の癖を明かしている。

しかもAIは途中で腐って「だったら自分で考えてくださいよ。帰っていいすか」と言わないところがいい。それがAIの一番の魅力かもしれない。

無理難題を言うと

AI:何か背景や文脈を教えていただけますか?具体的なタイトルを考えるためにお聞かせいただけると幸いです。

みたいなことも言ってくる。しかしこのハロウィンの発言は、何の前提条件も言わずにこういってきたので怖い。

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林:今年のハロウィンは誰もが仮装しないような仮装をしたいと思います。何がいいでしょうか

AI:どうでしょう、パンツ一丁で行くとか?