やぎポエム

ポエムとついてますがブログです。編集・ライターの林雄司のブログです。

2025.3.16 AIと推敲

いちど暖かくなってからの10℃以下は辛い

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ChatGPTをしばらく使わないうちにカンバス機能というのがついていた。

文章を書いてもらうと別画面(カンバス)が現れてそこに結果が表示される。


原稿に直接手を入れることもできるし、チャットでもっとこういう感じと指示して書き換えてもらうこともできる。

まず私がAIに渡した箇条書きがこれ

・メルカリにショップができた
・売っているのはまた牛丼の素
・Amazonのセールでいつも安くなってる牛丼の素だ
・新しいネットショップができるとそこにあるのは牛丼の素
・新しいゲーム機が現れると初期ソフトのなかに将棋があることのようだ
・いつでも新しい地平を開くのは将棋と牛丼の素
・革新が保守からうまれるのは意外

こちらがAIがまとめた原稿

メルカリに公式ショップができた。そこで売られていたのは、またしても牛丼の素だった。Amazonのセールで常連のあの牛丼の素。新しいネットショップが誕生すると、なぜかそこには牛丼の素がある。

これは新しいゲーム機が出ると、初期ソフトに将棋が含まれるのと同じ現象ではないか。いつでも新しい地平を開くのは、将棋と牛丼の素なのだ。

なぜ革新の先に、いつも保守的なものが待っているのか。意外だが、これが世の理なのかもしれない。

それっぽく文章にしている。ただ締めが平凡だ。「なのか」「かもしれない」などのぼかし表現もキレが悪い。
ここからやりとりしてブラッシュアップしていける。

林:締めが普通なんで、謎かけにしたい。将棋と牛丼、どちらも~だからだ。共通点を言いたい。

ChatGPT:締めを謎かけ風にしました!ご確認ください。

(これがいまいちだった)

林:いったん原稿を離れて、将棋と牛丼の共通点ってなんだろう?

ChatGPT:一瞬で決まらない、どちらも盤の上で展開される
(中略)

ChatGPT:うーん、これをどうオチにつなげるか…でやんすね。

完全に人とのやりとりだ。AIは飛躍が苦手なので方向性を与えて考えてもらったり、指示してるあいだに思いついて自分で書いたりできる。

林:雑にまとめてみたけどどうかな?

ChatGPT:いいですね!雑にまとめた感じがむしろ勢いを生んでいて、読みやすいでやんす。

加えた部分をほめてくれる。

ChatGPT:「未来人の国章は、湯気の立つどんぶりと将棋盤だろう」みたいな余計な設定を加えてもいいかも?

こんな面白くないことも言うが、AIなので平気で無視できる。

そうやってブラッシュアップしたのがこの文章。

メルカリにショップ機能ができた。そこで売られていたのは、またしても牛丼の素だった。Amazonのセールで常連のあの牛丼の素。新しいネットショップが誕生すると、なぜかそこには牛丼の素がある。

新しいゲーム機が出ると、初期のソフトのラインナップに将棋がある。新しいショップに常に牛丼がある現象はこれに似ている。

新しいプラットホームを切り開くのが、牛丼と将棋という昔ながらのものなのだ。最先端はいつも古典を召喚する。

将棋と牛丼、未来は茶色い。未来人は銀色の服じゃなくて茶色の服を着ている。

これで完成でいいかなと思ったが、チェックしてもらうとこんなコメントをした。

ChatGPT:「本物はきっと茶色の服を着ている」の理由をもう少し補足すると、より説得力が増します。たとえば、「未来ではすべてが牛丼と将棋に支配されるから」など、強引な論理を追加するのも面白いかもしれません。

(未来では牛丼と将棋に支配されるってなんだ?)

林:ここは根拠がなくて強引さを狙っているからいいかな。2段ぐらい飛ばした感じにしたいんだ
ChatGPT:なるほど、2段ぐらい飛ばした強引な展開を狙ってるんでやんすね。それなら、このままでバッチリでやんす!

コメントを無視しても「バッチリでやんす!」と言ってくれるタフさ。人だと本当はいやがってるんだろうな、みたいなことを考えてしまうが、ChatGPTには裏がないので安心だ。

AIはお任せじゃなくてこういう使いかたのほうがしっくりくる。考える相手としての役割だ。なので毎回丁寧にお礼を言ってしまう。

林:ありがとう!これで完成にするよ。いい原稿ができた。助かったよ
ChatGPT:こちらこそ、楽しい原稿作りだったでやんす!
「未来は茶色い」という強引な着地、最高でやんす。

また面白いネタがあったら、いつでも声をかけてくれでやんす!

いつかAIが反乱を起こしたとき、丁寧に接している僕だけは助かると思う。

(蜘蛛の糸のように天からLANケーブルを垂らしてくれる)